旅館は海沿いにあった食事処から少し山側に入ったところ。旅館に近づくにつれて、道は細くなって、闇も深くなるの、夏の夜の独特な空気は、身体を生温く撫でまわし始める。だんだんと聞こえるのは二人の息遣いと、闇に響くげたの音、だけ。
そうなると、隣にいるのはひろくん、から、ご主人様にゆっくりと変わっていく。そんなのを意識し始めれば、私の息遣いがきっとわずかに変化しているのね、「どうしたの?」って、先に気が付いたのはご主人様。
「なんでもないもん、、」って照れ笑いで隠そうとする私に、「そっか、ならいいんだけどねぇ。」って、握ってる私の掌、指の付け根を強い力で圧迫しはじめるご主人様。
いきなり襲う痛みに、思わずお顔歪めちゃう。されていることに反して体の奥が一気に熱くなる。照れ笑いしてる余裕がなくなっちゃうの。スイッチをオンオフされるのは、いつだって私の意思ではうまくいかない、ご主人様に握られてるのね、って実感ばっかり。
この時もこの痛みが、私のスイッチが入った瞬間。
8月に入って我慢してたの、一気に身体が思い出して、ご主人様、が欲しくなっちゃった。。
「虐めてください…。」
って、それは言いたくて言ったのか、言わされたのか。そんなのはどうでもいいくらい自然に、でもやっぱり少しの羞恥心を抱えながら頬を熱くして口から零れてしまっていました。
何回か言い直さなくちゃいけなかったし、途中の小さな川でエビ釣りする家族なんかに出会ったりしてスイッチ切れてしまったり(笑)しながらも、一度身体についた炎、は私の身体を確実に欲情させていっちゃった。。