大きな駅、沢山の人。私のほうが先に駅につきました。
震える体を隠すようにしながら、トイレへ向かったり、お菓子を買ってみたり。
気を逸らすことなんてひとつもできなかったけれど。
「どこの改札にいるの?」
近くにいる。
嬉しさと、恥ずかしさと、楽しみと、緊張と。
少し前に、ひろくんと電話した時に「絶対先に見つける!なんなら隠れちゃうもん。」とか言ってたのに、
結局みつからなくて、電話すると
「もう見つけたよ。」
と。
焦ったけど意味なくて、気が付いたらご主人様、後ろに立っていました。
「ぅ・・・・わ・・・」
声にならない声、が漏れてる私を知ってか知らずか。
「乗車券買わないと。」「お昼どうする?」
といたって普通なご主人様。
いろんな気持ちでいっぱいで、全然頭働かない。後ろにくっついていくので精いっぱい、でした。
気が付いたらご飯買ってて、電車に乗っていて。
指定席、1時間半の乗車時間、一番後ろの席。
そんな状況で、もう、心臓が飛び出そう。苦しくて苦しくて、頭の中は厭らしいことでどんどんいっぱいになっちゃう。
ご主人様が地元で買ってきてくれたお寿司、駅で買った豚肉の生姜焼き、口の中に頬りこむけど、
意識は全然違うところをふわふわしてるの。
必死で目が合わないように外に向けたって、身体はびくんっびくんっって、勝手に震え始める。
右側にいる、ご主人様。
思考が奪われる。
どこかで声が聞こえていたって関係ない。人がいたって関係ない。
隠そうとしたって隠せない、
気が付いたら、しっかり目を合わせて、声を震わせて、「虐めてください。」
ってお願いしちゃっていました。